2002/05/28
 根裏部屋の窓
 
  
屋根裏部屋コーナーにて色々見たこと、感じたこと、体験したことなどを紹介してまいりました。
今回は旅の中でシャッターに納めた屋根裏窓を紹介いたします。

フランスのパリから南に130キロの小麦畑にかこまれた小さな町、セザンヌを散策中に気のむくまま撮りました。
豊かな自然と共生する住まいつくりをしているなーと思いながら・・・。
梁・束などの構造物をどのように利用して、勾配天井に仕上げ、どのような内装を施してるのか興味がわきます。
屋根裏部屋に取りつけられた鳩小屋の窓は自分流の住まいつくりと、建物の表現を自由に、個性を演出している効果を出しているようです。
しかし屋根屋の立場から見ると、大屋根との取り合い納めや、鳩小屋の小さな屋根をこまめに施工した苦労をはしはしに感じさせてくれます。
次回は、窓をテーマにして個性豊かな表情を紹介します。
 
 2002/05/24
 第2回キャンペーン終了
 
  
本日5月24日カウントが22232を越えましたので、キャンペーン終了とさせていただきました。今回は6名の方々からご返答いただきまして、誠にありがとうございます。
次回、第三回も予定しておりますので、楽しみにお待ち下さい。
 
 2002/05/23
 「おかげさまで22222」
 
 
私共のホームページへの来場者が、おかげさまで今年3月8日に20000ヒットを達成し、僅かのうちに22222ヒットに達しようとしております。前回の20000ヒットの記念キャンペーンでは、7名の方に応募頂きありがとうございます。
  第2回目の今回は、22222〜22232ヒットにご来場された方々に粗品を進呈させていただきます。カウンターをコピーしてメールでご返答願います。
 屋根に関する情報を今後ますます充実させていきますので、宜しくお願い致します。
 
 2002/05/22
 この世に存在しない小屋組み
 
 
新しい挑戦がはじまる。
木質系直交異方性ペンタゴントラスドームの屋根葺き作業の開始です。
限界耐力・・・
@建築物に常時作用する荷重、稀に発生する積雪、暴風雨について、建築物が損傷しないこと。
A極めて稀に発生する大規模な積雪及び暴風に対して建築物が倒壊、崩壊しないこと。
B建築物に稀に発生する地振動について、建築物の地上部分及び地下部分が損傷しないこと。
C極めて稀に発生する地震動について、建築物の地上部分が倒壊、崩壊などしないこと。
 上記に加えて、
D使用上の支障となる変形又は、振動がないこと。
E外壁材等が構造耐力上安全であること。
を確認されて建築工事が開始されました。
屋根葺き材及び屋外に面する帳壁の風圧に対する構造耐力上の安全性を下記のように確かめられて、屋根施工に入ります。施工が進みしだいにまた紹介いたします。

工法: プロムナールフ工法使用材料: フッ素塗装ガルバリウムメッキ鋼板
屋根形状: 楕円平面ドーム屋根スパン: 短辺方向 20.78千M ・ 長辺方向 27.886M
屋根高さ: 6.0M所在地: 秋田県大館市
 
[1] 風荷重の諸元  W = q ・ Cf
@ q : 平均速度圧(N/u)
  q = 0.6 EVo2
  E = Er2Gf
  地表面粗度区分V→Zb=5 Zo = 450
   、α=0.20
  H = 5.55 > Zb
  Er = 1.7(5.55/450) 0.2 = 0.706
  Gf =2.5
  E = 0.7062×2.5 = 1.25
  Vo = 32(秋田県大館市)
  q =0.6×1.25×32.2 = 768N/u
  限界耐力計算使用値 = 768X1.6×
  = 1228.8 N/u

A Cf = ピーク風力係数 = Cpe - Cpi
  ・ドーム状屋根面の負のピーク外圧係数[Cpe]
   中央部 = -0.8  端部 = -0.5
  ・屋根面のピーク内圧係数[Cpi]
   鎖型の建築物(外圧係数 0未満) = 0
  ※数値の高い中央部[Cpe]にて検討
  Cf = -0.8 -0 = -0.8
[2] 風荷重の算定  W = 1228.8 N/u X -8 = -983.04 N/u
[3] プロムナールーフ工法の負圧検討
補足部材〔アルミガーター、下葺材(ガルバリウム鋼板)は、強固に野地板と緊結されて一体と なっている〕の上に、主部材〔フッ素塗装ガルバリウム鋼板 t=0.4〕を、端部はアルミガーターに リベットで仮固定し、スプリングジョイナーでキャップする。 一般部は、POSシール(セメダイン社製)で圧着する。

◎従って、POSシールの引張り強さを検討する。
潟Zメダイン社の資料より、素材の引張り強さ 15.5s/cuであるので、後者に安全率2を見込み、 短期許容接着力は 29N/cuとする。
※プロムナールーフ工法の負圧耐力検討
短期許容接着力 = 29N/cu これに施工のばらつきを考慮して有効接着面積率 の0.5を見込む
29 × 0.5 = 14.5 N/cu
1450 N/cu > 983.04 N/cu OK
 
 2002/05/16
 さまざまな道具
 
 
現在の工事現場では、電動工具が主流になり能率向上ばかりではなく、安全性なども追求され、ハンディ性、確実性、精密性など屋根材料の進展や多様化とあいまって利用されるケースが増えてきている。
最近はコードレスの工具が増えて利便性が益々高まり、施工スピードが速まり工期の短縮化にもつながっています。
現場作業を見ているとなんとなく、職人さん達が道具を使うのでなく、道具に使われている感じがします。
しかし、まだまだ細かい作業はもとより、手道具に頼らなければならない技を必要とする形状の屋根や板金作業があります。  
先日の展示会にて、工具メーカーの販売コーナーに数々の工具が展示されていましたので紹介します。
 
 
「トンカチ」とぞくに言われる「ハンマー」も並べて展示されると、色々な形、大きさがあるものと驚きました。
「はさみ」も金属板を切断するために、板厚、材質、切断する形状によって多種多様の鋏があるものです。
とくに、材質が硬いステンレス鋼などを切断するときはステンレス専用の鋏を使用しなければ、すぐに鋏の刃が負けてしまい切れなくなってしまいます。
職人さんも、多種多様の電動工具を始めとして板金道具をそろえると、かなり道具代にお金がかかるものです。
 
 
 
作業の中で電動ドリルで穴を空けてから、次の工程として電動リベッターにてリベットのかしめ作業をする場合があります。
上の図はニ工程の作業を行う場合、二つの電動工具を一つにまとめて用途の違う作業を一つの工具にて行うことが出来る工具です。
屋根屋のアイデアにて発案したものですが、いかがなものでしょうか?
 
 2002/05/09
 エコ建築にて地球温暖化防止へ
 
 
環境庁は地球温暖化防止に向けて、『環の国暮らし会議』を開催した。
国民一人一人の生活スタイルの変革を促すことを目的にエコ住宅・エコ機器・エコライフについて、幅広い層からの提案をもとに検討する。
「ユニークな技術等の事例や普及策」 について保有している断熱工法、コブラ工法とジンクロン工法を高断熱技術として提案したいと思っています。

コブラ工法では、野地板の上に吊り子を固定。
グラスウールやロックウールなどを敷いて吊り子の上端を断熱材の上に出し、その上に屋根材をかぶせて吊り子で固定する。従来の外断熱工法では、屋根材を乗せると断熱材が圧縮され断熱や防露、吸音といった特性を生かせなくなる欠点があった。
コブラ工法は屋根材が吊り子で固定されるため、断熱材の厚さを十分に確保できるメリットがある、エコロジー工法です。

ジンクロン工法は主に改修時に、断熱効果・防音効果など全く無視して、ただ金属板をかぶせる改修工法と違い、スレート葺き・アスファルト防水・シート防水や折板葺き・瓦棒葺きの上に断熱材をセットして屋根の機能と住環境を改修をするエコロジー工法です。
コブラ工法同様に断熱材を圧縮しないため、断熱性能を損なう事無く断熱材の特性を生かせる工法です。
現在ある物件の引き合いで、断熱材〔ロックウール〕を160oセットする案件が進んでおり、エコ建築として注目されそうです。
建物全体を真綿で包み込むように、ロックウールにて包み込む省エネルギー効果間違いなしの外断熱工法の建築物は、地球温暖化防止に役立つ技術の推進として、今後益々需要が高まることと思います。
エネルギー効率を高める、地球の生態系に負担のより少ない工法が近未来工法として、注目を浴びる日はそんなに遠くないと自負して拡販に力を注ぎたい。
 
 2002/05/03
 野地板 と 太陽光発電屋根瓦
 
 
『屋根葺き材の下に設けられる下地の板。』
前回4月27日の屋根裏部屋でも紹介をさせていただきました。今回は隙間をあけた野地桟木をうまく利用した、別の例を紹介します。
ドイツのニュルンブルグ近郊で太陽光発電モジュールを設置している建物をみかけましたので、見学させてもらいました。


私共は八年前から太陽光発電システムの屋根工事をはじめ、SF工法として施工しております。
野地板上にゴムアスファルトルーフィングを貼り、金属をベースにした屋根材を先に葺いてから、屋根面にビスや釘などの穴を空けずに太陽光発電モジュールを設置施工する工法です。
太陽光を浴びた発電地はかなりの高温になります。
その熱を発電地の裏にこもらせると、発電効率を低下させる原因になり、場合によっては十数パーセントの発電ロスになります。その為、モジュール裏面に通気性をもたせた設置方法が最適と言われております。画期的な施工方法ですが、発電池モジュールは配線作業を繰り返しながら取付けしなければなりません。
ここで太陽光発電池を施工された建築現場においては、野地板を全く貼らずに垂木に横桟木を取りつけてその桟木を利用して、瓦と発電池瓦を引っ掛ける施工方法です。
モジュール裏面の通気性を考えたことと、先に屋根工事を完了して、後から小屋裏にて配線作業をすることができる、また万が一発電池の不具合が発生した時に、簡単に交換・修理ができる、そして急勾配の屋根を足場桟木に利用する、色々なメリットを考えた太陽光発電池、施工法です。