機内で遭遇した出来事 VO.2


 
混入物、乗客の怒り
 出発準備が整いドアーが閉められる。滑走路に向けて飛行機が走り始める。たくさんの思い出を胸に、帰国の途へと向います。 
 スムーズにテイクオフをして上空へ向かい水平飛行になると、機内サービスが始まります。

 食事前のお酒は自分の定番として、ブラディーメリーそして日本酒をお願いします。
 食前酒が進み食事の種類を聞かれ、リクエストに「和食をお願いします。」と伝えました。たまたま、隣りに座った方も和食でした。
 つまみ、メインデッシュ・味噌汁・ご飯・デザートと入り最後にチョコレートとリキュール酒のサービスが続き完了します。

 食事がすすんでいる時に、突然隣りの方が「味噌汁に石が入っている!!!」と騒ぎ出しました。廻りに座った方々もその客に同情の目を向けます。なかには「ひどいな、我々は大丈夫なのか??」との騒ぎの輪が広がりました。自分の癖として味噌汁は最後にいただくので不安はなかったけれども、その時フライトアテンダントの方、そしてチーフパーサーの動転ぶりは大変なものでした。

 米搗きバッタと言う表現が当たっているかわかりませんが、ペコペコする様子は見ていて気の毒としか思いませんでした。マニュアルにない対応の事態が発生してしまいました。
 しかし、手際の良い対応ぶりですぐさま味噌汁を取換えて、一旦その場は落着したようにみえました。

 その後に誰もが想像しない結末が起こりました・・・・・。
 「お客様、お客様のサシ歯がはずれておりませんか!??」「先ほど、キッチンにて調べたところ、石ではなくて歯のような物ですので???」とチーフパーサーが尋ねました。

 その場は先ほどの大騒ぎの後ですから、皆がダンボのように耳を広げます。
 事態が反転して・・・・・・・・・、その方は黙ったままになり、とっても陰うつなフライトが続きました。

ジェット気流の中で発射!
 夜間飛行のフライトは、時差に合わせて眠りに入ります。
各々が様々な態勢で眠りにつきます。限られた狭いシートをめいっぱい倒した態勢の人がやはり多く感じます。機内の乾燥から喉の乾きを守る為に、カラス天狗を思わせるような、くちばしがでっぱった立体的なマスク、少しでも明るさを遮るためか、寝顔を見せたくないためかアイマスクを付けて、更に耳栓をして完全装備にて寝ている方もおります。
 よほど静かな環境の中で生活している方でしょう。しかし、ジェット気流を切る音を聞きながら眠りにつくのは最高の贅沢と思っている自分には信じられない光景です。

 そのような機内の中、気圧の関係で無意識のうちにガスを発射してしまいます。気密の中での出来事です。自分が他人の臭いを感じた事もありますが、自分が製造元になってしまった事もあります。しかし、今までにたくさん経験したフライトの中で「臭い!臭い!!クサイ!!!」と騒ぎになったことは一度もありません。

 皆、『同じアナのムジナ』と思って知らぬ振りをする不思議な現象だと思う事と、高気密化された機内の中でこれらのガスは何処へ消えてしまうのでしょうか。
 ジェット気流と共に大空高くどこかへと流れていくのかもしれない。

脱帽??させた!!

 機内において食事が終わって、それぞれくつろぎの時間へ入っていく。
リクライニングシートを倒して狭い空間での長いフライトに備えて、各個人さまざまな態勢に入っていく。ビデオを観る人や雑誌・読書を楽しむ人それぞれである。

 機内の明かりも暗くなり、時間の経過と共に軽いいびきが聞こえてきたりする。一つ目のビデオが終了して窓側に座っていた自分は隣りの人の足元を気にしながら、よろけていけないと思い倒されたシートのヘリをつかまってトイレに立った瞬間・・・・突然機体が揺れて・・・・。

 前の人の髪の毛をシートと一緒に掴んでしまいました。その方も驚いて頭を動かした瞬間、力が反作用して??勢いが増してしまいました。
 あれれれ・・・・!!!!帽子が取れてしまったと思い「すみません」と声をかけました。しかしそれは帽子ではなくて『カツラ』であったのです。なんと謝れば良いのかと思ってもすぐさま言葉に出ませんでした。ムカツク顔で私をにらんでおりましたが、知っていてわざとやった行為ではありませんし、その方も事態を大きくして変装??姿?を他の人に見せたくなかったためか、あわててトイレにかけ込みました。

 その後、何事もなかったような状態でフライトは終了して目的地に無事到着しました。
本当に怪我なく『毛がなく』てよかっ
た。


ドアーが開かない

 タッチダウンがスムーズに行われて、なかなか上手なパイロットだなと感心していた。航空機がターミナルに着いてターミナル接続ブリッジが近づいて来る。まもなくドアーが開けられて機外に出れると思った瞬間『ガッタン』といってショックがあった。
 「あれー??」なんだろうなと思ってドアーサイドに立って、待っているのにドアーが開かない。なにもアナウンスが無い。しかし窓越しに下を見ると人だかりがあるのが見えた。ターミナルブリッジのタイヤがパンクしてしまった。そのためにブリッジが機体に寄りかかる形になってしまい、機体ドアーの上に覆い被さってしまった。
 たまたま、ブリッジはひとつであり前方一箇所のドアーしか開かないために、約30分ほど待たされてしまった。乗客のほとんどが狭い機内にて座る旅のためか、到着するといっせいに立ちあがり機外へ出たがる。この時の騒ぎは大変なものだった。乗客として素早い状況説明をしてもらいたいものだった。

 ハイテクの機材が世界各国に飛んでいるのに、何処の国へ行っても同じシステムである。なにかもっと良い方法はないものかと考えるが良い案が浮かばない。
近い将来2階建ての1000人乗りの飛行機が飛ぶ、その時はどのようなシステムにて乗り降りするのか楽しみである。


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