ワルシャワへ
 

グダニスクからワルシャワに向けて国道7号線を南下する。ワルシャワ338キロ。ブタペスト974キロメートルと標示が出てくる。三時間少しとの計算で、車を走らせる。相変わらず無謀な運転が続く、ポーランド国民は時間を惜しむとっても働き者か?それともせっかちか?疑問の残る運転マナーである。
 平坦な道路であり、これといった変化は今までと余り感じなかった。道路わきのドライブインでハンバーガーをぱくつき、その裏手にある湖と平原を見渡せるベンチにてゴロリと横になり、真っ青な空と短い夏の太陽の下、最高のくつろぎであった。
やはり、ショートカットの道を探索する。国道沿いを走行するよりも約12キロメートル短縮できる。早々にルートを外れ、森林街道へと入り込む、道にはまだまだ馬車を交通手段としている光景や菜の花畑・麦畑を左右に見ることが出来る。

 

 途中、町はずれで屋根工事をしている現場へ立ち寄る、とりあえずGUTEN TAGと通じるかどうか疑問はあったが挨拶、屋根を見せて欲しいとお願いする。金属板をロールとプレスで成型加工している、すでに日本でも同じように加工して販売している会社があるが、施工現場を見学するのは始めてである。言葉が通じなくても同じ屋根業者として、世界共通の屋根言葉が存在するような錯覚してしまうように、理解できるのでありがたい事だと思う。取付け方、納め方などとっても親切に説明してもらった。お礼にとタバコと日本から持参したカリントウ菓子を渡す。とっても怪訝な顔で、カリントウの説明を求められた、すかさず日本のクッキーである説明をして、安心して笑味するよう勧めた。口に入れた瞬間彼らの顔は今でも忘れることが出来ない、おそらく彼らは一生で最初で最後の味わいでないかと思う。

 

 ポーランドには山はないのではと思うぐらいに、平坦でなだらかな道路が続く。急に今までにはなかった徐行運転が始まり、工事中かなと思った。それは、ソビエト連邦時から数十年の歴史を今も残している、鉄をトラスに組みそれぞれをエキスパンション構造にして連結した1車線の鉄橋でした。連結部を通過するたびにゴトゴトと音を立てて、車は揺れる、1000mはあるのではないかと思う大きな河である。ナイセ川だろうか?
 すぐ隣で新しい橋の建設工事が進行中であったが、まだまだ数年はかかるだろう。ワルシャワに近づくにつれて交通量が増えたなと思い、ポーランドマナーにて走行を続けて行くと、ワルシャワまで30キロメートル手前から、三車線に変わりとても走行しやすくなった。

 

 そのまま首都へと入り込む、川沿いからCENTUMへと右折、旧市庁舎下から共産党時代の象徴である建物を目指す。高層ビルが立ち並びやはり首都ワルシャワだなと思った。この近辺は大きな公園・バスターミナル・デパートがありビジネス街的な雰囲気がある場所である。やはり夜の町はダウンタウンの華やかさにはかなわない。

 

 ダウンタウンは旧市庁舎前のザムコヴィ広場から、聖ヤン大聖堂・カセドラへ向かう城壁に囲まれた一角がとてもにぎやかである。時計塔を始め第二次大戦にて戦禍のワルシャワは、そのほとんどが跡形もなく破壊された。しかし市民による懸命の修復作業によって修復され、美しい街へと復興した。プラザ前はカフェレストランが陣取り、旧市街の建物とバランス良くカラフルなパラソルのビヤガーデンが開いている。 色々な仮装をしたパフォーマンス(藤田兼三工業HP「屋根裏部屋6/20号」に掲載してあります)を見ることができたり、路地裏を探索したりすると、ちいさい広場がでてきてまた裏路地に入る、別の時間空間を散策しているようでとっても楽しく、土産さんを冷やかしたりしてワルシャワの夜はふけていきます。

 


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