大自然の中をグダニスクへ
 

 早朝、グダニスクへ向けて出発すると途中、STAWNOの朝市が開かれていた(写真:右上)ので立ち寄り、再び出発。地図を見ると大きく弧を描くように大きく迂回している。日本では想像もつかない走行マナーの高速運転は非常に疲れるので、ショートカットを兼ねて一般道から横道に入った。この判断が幸いして、想像もつかない別世界に入ることができた。ポーランドの語源である「POLA(草原と畑)」の言葉通り、大自然そのままの原野の中へ導かれます。空を見ると木々の間から微かに太陽の光が漏れてくる。大原木のトンネル(写真:下中)を通過し、思いっきり森林浴を楽しみながらグダニスクへ向けて走り出した。
 ポーランドの国土は31万ku、北海道と本州を合わせた位の面積で、その約8割は大自然と耕地が占めていたと記憶される。以前、イタリア・ミラノ行きの飛行機からポーランド上空を通過した時に見た光景で、この国の道路はどこにあるのかと疑問に思った事があったが、実際にドライブをしてみて、これでは上空から見ても道路などは大きな国道しか目に入らないのだと納得した。
 
 2000年万博でポーランド館を訪れた時にも館内のテーマは「自然」であり、釣り・バードウォッチングなども最高の楽しみの一つである事を謳っていた。冬の寒い時は-15℃位まで気温が下がる。建物を見てもそれほど積雪はないのではと思う。しかし、家々の暖房設備は豊富な木々を燃料に使う暖炉が設置されているようで屋根にはかならず煙突が備えてある。
 春・夏を待ちわびたように家々には花々が植えられて、鮮やかな緑と一緒に厳しい冬の長い分を一斉に楽しんでいるようだった。
(←写真:左)
暖炉の燃料に使う丸太が山積みにされています。

(写真:右→)
ZUKOWOの街
 
 大小の池や湖を左右に見て国道7号線を横切りグダニスクの市街へ入る。車は中心部より少し外れの、病院や郵便局などの公共施設の近くに止めるようにします。少しでも車上荒らしの被害を防ぐ為の経験上得た知恵です。その車を止めた所から運河越しに中心部を見る事ができます、まだまだ破壊された建物や構造物wp見かけますが、市内は港町そのままです。橋の上から運河沿いに木造クレーン(写真:右下)を見るアングルが一番いい風景かも知れない。しかし、そのすぐ右側は破壊された建物がそのままの姿であることが何か不思議でならない。
 

 街中はアムステルダムの建物を思い出させる様なデザインの建物が各所に見る事ができる(写真:右上)。日本に見られる屋根上に設置する鬼瓦みたいに、その建物の個性を強調しているのかも知れない。しかし、デザインの豊かさは日本の建築ではなかなか見る事ができない色使いと相まって、町全体を一つの空間として築いている。
 裏道に入ると、ドゥーギプラザに面した様子が全く変わり、中世の建物そのままの路地道を歩く事ができる。有名なポーランド特産物の琥珀や刺繍を並べた露店がまた違った雰囲気を出している。
 屋根屋としてとっても興味を引いたのは、屋根から伝う雨水を排水樋のデザインでした。出入り口の手摺の上を上手に使って、違和感のない排水を心掛けている。
 その通りを進むと、建物の間に作られたトンネルを抜けることができた。先程、橋の上から眺めた運河沿いの木造クレーンの横に出た。我ながら土地感の良さに感心してしまった。

 


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