ハンブルクからポーランドへ
 

 始めにドライブコースの選定にはいる。前日に地図を眺めながら未だ走行したことのない道路の通過地点にある都市の状況や、道路の種類を調べて暫し想像の世界へ入っていく。この短い時間がなんとも表現しがたい空想の旅のひと時です。
 
アウトバーンをベルリンへ南下し、更に北へ上がり目的の都市の国境を目指すか、そのまま北東へ走り、途中、風力発電所の風車(写真:下)を見ながらバルト海を目指して国境を超えるかの二つの選択にかたまった。
 
 途中の宿泊先は行き当たりばったりで、食事に間に合う時間が一応の目安としてドライブの開始である。毎回経験する一つに、歴史のある大都市から目的のルートにあるすぐ隣の街に向かうまでの間に苦労をする。日本と違い標識は大変良く整備されているのでその道しるべを頼りに走るのだが、旧市街の入り組んだ道・進入禁止や一方交通などの規制があり右、左へとの路地を通過してようやくハンブルグ脱出に成功する。
アウトバーンに入ってしまうとよほどのラッシュや道路工事に当らないかぎり、一時間で120kmの距離は走ることが出来る。
 今回選択したルートはまだ東ドイツの名残がある街(写真右:ロストック・レイン教会)を通過するために、アウトバーンが途切れ途切れであり、思わぬ時間を要した。地元の人々はベルリンルートを選択するみたいで、途切れ途切れのアウトバーンはほぼ貸しきり状態であり、時速220キロの速度で走ることの出来る地域もあったり、まだまだ東の面影が残る凹凸の激しい、波乗りをしているような時速80キロでも跳ねるアウトバーンもあったりして国境越えには途中の見学を要して六時間程かかった。
 
 国境に近づくにつれて、右側に国境を通過するトラックの列が目立つようになる。乗用車は比較的簡単に国境(写真:左・中)でパスポートを見せる、コンピューターチェックの後スタンプ捺印後にポーランド側へ、両替をユーロからポーランド通過ズウォテイ(1ユーロ40ズウテイ・1ZT約34円)に交換する、日本円は不可だった。両替をしたら次の行動として、ガスを入れてソフトドリンクを購入する、このことで訪れた国の物価を判断する。
食料品・日用雑貨は日本と比べると約三分の一前後のような、比較的に安い物価だった。
 
 東の面影が残るドイツより道の良いアウトバーンと思いきや、10数キロで終わり、一般道の走行となる。大きくカーブをしてから、一応E28国道6号線という名が付いている欧州国道は、港町グダニスクまで続く街道である。片側2.2車線という表現が正しいか不明だが、車線の端に路肩が整備されている道路である。変な作りだなと思っている瞬間、『対抗車線から車がはみ出して車を追い越してくるではないか、抜かれる車は左端しに避ける。』この通行方法がポーランド流のマナーであると教えられた。いきなりこんな洗礼を受けて、日本では追い越しの時に前方より対向車が見えたら、その車が過ぎるまで追い越しはかけない。そのような常識が通じない、今度は対向から車がくるなと思った瞬間、平気で自分の車を追い越された。慌てて右に寄らされた。街道筋を120キロでの走行は当たり前のルールみたい???
 風景は山などまったく見当たらない平坦な、時々なだらかな丘が現れて肥よくな土地だなと感じる。時折、海から入り江として食い込んで出来たと思われる美しい湖が森林の陰に見える。バルト海に沈んでいく真っ赤な夕日はポーランドの国旗、上が白(白鷲)下が赤(夕日)をそのままを表していると思う。とっても素晴らしい夕日を見ることができた。
三つ目の都市を過ぎて麦畑に囲まれたレストラン・ホテルに宿泊、おいしい歴史があるポーランドTYSKIEビールで喉を潤す、最高の一時である。魚料理を注文、同じ魚を蒸し・揚げ・焼き三種類の調理法でお願いして、一度に三回の味わえたバルト海の魚はおいしい。



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