エーゲ海の島めぐり
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CRUSING

デッキの上に立ったその瞬間から新しい経験が始まる。
誰もエスコートのいない乗船である。
ホテルからピレウス港まで
は約40分位とのベルキャプテンからの説明であったが、心は
すでにクルージング気分。
出航の三時間前に港へ到着、いざ乗船手続と張り切っては
みたものの、
沢山の人々や荷物、そして数々の船が桟橋に
接岸されていて何処に並んで手続きしたら良いのか分からず
に悪戦苦闘した思い出がある。
『ピレウス港では、海に向かって左端に出入国管理事務所が
ある。タラップを登ってドアーをくぐると乗船手続。レセプションに
てパスポートとチケットを渡す部屋の鍵と船内案内図、そして
当日と翌日の予定表を受け取る。』
船内はカジノ以外はすべてサインの後払いシステム、下船の
際に精算しないとパスポートは返却されない。逃げたくても逃
げられないシステムになっています。
先ほど走りぬけてきた市街地を見ながら、船は出航しました。
離れていく陸地を眺めていると、少しの間センチメンタルな気
持ちになってしまいました。

出港するとメインラウンジに集合が掛かります。クルーズライフ
の説明が始まり、クルーや船内施設の紹介、イベントやオプ
ショナルの案内をうけます。引き続き、非難訓練の為に一旦
部屋に戻り、ライフジャケットを着て合図を待ちます。
合図の後に再び集合し、ベルの種類や非難用ボートの乗り
方等の説明がされて解散となり、いよいよクルージングライフ
の始まりです。

最初の夜、キャプテン主催の歓迎カクテルパーティ−があります。
夕食の時間に指定された席につき、初めてお会いする方々との
会食がはじまりました。皆さん初対面なので堅苦しい雰囲気の中、
ただひたすらフォークとナイフを動かすだけの時間が過ぎました。
様子を見て隣の家族の人に「どちらからいらしたんですか?」と尋ね
ると、「ギリシャのポルト・ラフテイという、アテネから一時間半くらいの
港町から来ました」との答えでした、こんな会話から左右の人と知り
合いになりました。


翌朝、『ピンポンポン・・・・・キリオ・キリオス・・・・』と、起床のアナウン
スが船内に放送される。私はその時既にデッキに出てデッキの上で
エーゲ海の朝日が水平線から顔を出すのを眺めていました。朝日
が海面を朱色に染め、段々と金色に輝いてキラキラと波がきらめき
を増す景色は心に焼き付いて今も忘れることが出来ません。
朝食を取りにメインラウンジへ行ってみると、そこは既に沢山の人が
お盆を持って順番待ちをしていました。どこにいても生存競争は激
しいな、と思いました。

さあ、これから待ちに待った島めぐりです。太陽の光が明るさを増す
と、抜けるような青い空に変わります。美しい海岸線と砂浜、青い
屋根、白い壁、真白な家、緑の少ない岩肌の島なのに思わずシャ
ッターを切りすぎてしまいます。
エーゲ海には大小1400以上の島があるそうです。その島々の一部
をまわる初めての下船です。用船時間を[入港出港]確認し、更に
下船札をもらって上陸です。大きな客船なので島によって、はしけ船
に乗り換えて島に渡ります。

どうしても商売柄、高い所へ登る癖があので、他の人々はぞろぞろ
と列になって街を目指しますが、私は小高いところから全体を眺めて
行ってみたい所を決めて歩きはじめます
クルージングボート デッキからラフティを見る コバルトブルーの海を進む

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ミコノス島
白く美しい風景の島、澄み切った青空に白い家々がとても眩しい。
海辺から緩やかな道を登り始める。強烈な印象を与えてくれた白い
家々の間を抜け、上り坂を上へ上へと目指。途中、小さな教会が幾つ
もあるので、「沢山の牧師が住む島なのか?」と不思議に思えた。
丘の上から辺りを見回すと、小さな島なのに教会の数
が本当に多い
事にびっくりする。 後に本で知った事だが、このミコノス島は太陽の
神アポロンと月の神アルテミスと言う双子の神が生まれた土地として
古代ギリシャ人達が聖地とみなした事から、一年365日のその日毎
の為に365の教会を建てたそうだ。
さて、次は街中を通って粉挽き風車目指します。街は港の一角から
細い迷路の様な道になっており、道の両側には土産屋やレストランに
バー、そしてアクセサリー屋等が軒を列ねている。この道には人慣れ
したペリカンがいて
、観光客に愛嬌を振り撒く姿がとても愉快だった。

粉挽き風車の小屋からの景色も良かったが、先ほどの丘の上からの
景色の方がこの島の最高のロケーションと思われます。行かれる方
は是非赤い屋根の教会を目指してみてください。また、その更にその
上に登ると、そこは緑の少ない乾いた土地になており、背の低い木が
あるだけの荒涼とした山や丘が連なる風景も見る事ができます。

粉挽き風車小屋
ミコノス島の街中 赤い屋根の教会から街を見下ろす 白い建物が夕日に染まる

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クレタ島
緑の豊かな平原、そして高原のある島。
上陸してからはオプショナルツアーとしてバスで島を回った。海岸
から急な斜面を登って進み、ミノア文明の頃に築かれたクノッソス
宮殿を見学する。
ミノア文明はクレタ島で紀元前2000〜1400年頃に最も栄えた青銅
器時代の文明である。 クレタ島はエーゲ海の一番南にある島の為、
オリエント文化やアフリカ文化の影響を受けずに独自の文化として
栄えた。
クノッソス宮殿は部屋の数が千以上ある為に迷宮とも言われている。
宮殿の柱の色は独特の色彩感覚で、絵柄も明るく躍動感が伝わっ
てくる。柱一つを見てもこれだけの建物を築く為には、高等な構造力
学が要される。あの時代にここまで優秀な建築技術者がいたなんて、
と感心してしまった。
そして、一面のオリーブ畑を左右に見ながら船へと戻る。

ミノア文明の壁画

船上からクレタ島を見る 高原の続く島 島からクルージングボートを見る

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サントリー二島
伝説のアトランティス大陸の発祥地と言われている。
火山の爆発で沈み海になったカルデラを島が取り囲み、その切り
立った崖ずたいに建てられた白い家々がとても美しい。
細い道には人があふれ、岬の灯台も人でいっぱいになる。
美しい島をバックに沈む夕日は空を赤く染め、ギリシャのワインを
想像させる。毎回顔をあわせる他の乗客達とも親しくなり、夕日
をバックにスナップ写真を撮ったりするまでになった。

船内は夜毎遅くまで晩お祭り騒ぎで乗客をもてなしてくれます
船内にはラウンジバー は勿論、ダンスホール、映画館、カジノまで
あり豪華客船の醍醐味を味合う事がでた。

青い屋根と白い壁が美しい

街の入り口より 島からクルージングボートを見る カルデラ島の夕日

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ロードス島
古代都市の城壁と白い町並みが美しいこの島の名は海の神ポセ
イドンの美しい娘ローデスから名付けられたと言われている。ここで
は用船時間がったぷりあるので、早速レンタカー屋へ足を運んだが
全ての車が貸し出し中で借りる事ができなかったので、予定を変更
してタクシーをチャーターして観光することにした。
島の半分に観光スポットがあるので島半周というコースを設定した。
団体のオプションではないので、ランチタイムには念願の「蛸の燻製
に冷えたビールを」と、ドライバーに伝える。彼の推薦する海辺のシー
フードレストランと観光の始まりです。
旧市街は十字軍の聖ヨハネ騎士団が築いた城壁の中にあります。
石畳の道を走り抜けて美しい海岸線を眺めながらカミロスを見て、
リンドスへ向かう。
海岸線から100メートル以上積み上げられた城壁まで行くには、
曲がりくねった細い道をロバに乗って上がって行く。しかし、そのロバ
は途中、急斜面で滑ったり、つまづいたりしながら登るので、乗ってる
方はかなりヒヤヒヤの連続で度胸がいる。
それにしても建設重機の無い時代にこれだけの城壁を良く作ったもの
だと感心してしまう。

観光のあと、早々にレストランへ行きテラスで美しい海を眺めながら喉
を潤す。ビーチには真青の空の下、特に女性は皆開放的な姿で日光
浴しているのが印象的だった。

乗ったタクシーのメーターを見たら55万キロをさしているので、「大事に
乗ってるんですね」と聞いたら「ええ、155万キロだよ、200万キロまで
は乗りたいね」との事。さすがは古代遺跡を大事にしている国だなと妙
に感心してしまった。ちなみにその車はドイツのMB社のでした。彼の妻
は日本のM社で、次に長持ちするとの事でした。

リンドスの城壁

十字軍が築いた城壁 古代都市カミロス 城から街を見る

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パトモス島
聖ヨハネが流刑され、黙示録を書いたといわれる洞窟、聖ヨハネス
修道院のある島。外観は城砦の印象がする。
コバルトブルーの空と海に白い家々。その周りで咲いているハイビス
カスの真赤な色がとても強烈に心に残った。色々な建物を見た中
でも砂糖を固めて作ったかの様に真白な教会がまぶしく脳裏に焼
きついている。

昼の航海ではプール、ジャグジー、サウナ等を備えているのでかなり
賑やかデッキになる。この上で読書を楽しんだり、日光浴をしながら
青い海に浮かぶ島々を見たり、またギラギラ輝く太陽の下でビール
を飲んだり、と最高にゆったりした気分にさせてくれる。
最初は目のやり場に困った、デッキの上でゴロゴロしている「自然派
姿」
の女性も日が経つうちに、本当に自然に感じるようになるから不
思議だ。

聖ヨハネス修道院

修道院へ行く小道より ハイビスカスの赤が印象的 パトモスの街

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